試験会場となるところへといき、奥の部屋へ押し込められ、 行き着いた先はもうなんていうかありえませんでした。





 番号札を受け取ってみれば三百番台。すでに結構な数がいた。 それはどうでもいいのだが、入ってきた瞬間一斉に目を向けられたのは困った。

(まじで怖いって師匠・・・!!)

 皆が皆、ライバルということで睨みをきかせている。しかもそんなことをしている人がどいつもこいつも強面の人ばかりであるからそりゃもうあり得ないくらい無駄に迫力があった。本当に、自分、この間まで一般人だったんですから、こんな空気なんて初めてなんですから、頼むからそんなに殺気立たないでください・・・!切実に思った。本当、マジデ、なんでそんなに怖いんですか。そんな迫力いまから出さなくてもいいじゃないですか近所迷惑ですよもう。若干涙目になりながらも隅へと移動して縮こまるようにして座り込んだ。まだ始まる様子はなく、暇だしなにもすることもないし惰眠でも貪ることにでもするか。どうせ人が近づいてきたならすぐにわかるように訓練もしてある。元々気配には聡いほうではあるし、うん、いけるいける。我ながら図太い神経だよなぁ、と思いつつも目を閉じた。体に纏わりつく倦怠感に身を任せ、意識は底へと沈んでいく。





 頭を揺さぶられるような酷く大きな目覚まし時計の音で目が覚めた。途中で起きなかったから誰も近づいてはこなかったようである。ぼんやりした頭で辺りを見回せば眠る前よりも百人程度増えたようで、ごちゃごちゃしていた。それだけ判断して朦朧としたまま座り込んでいれば、妙なところに立っている、前髪で顔半分が隠れている変な人が試験管だとか名乗る男性が自分について来い、と第一試験はそれだけだといって走り出した。

「あー・・・出遅れた」

 気付けば最後尾が箸の長さ程度の大きさだ。寝起き悪いんだよなぁ、とぼやきながら追いつくために走り出す。

(無事に終わらせたいところだ、全く)

 やる気なさげにそう思いつつ、ある意味人生の転換期となるハンター試験が開始された。